鎮魂の祈り 2011 4 9
東日本大震災の被災地は、
自衛隊の努力と米軍の支援によって、
何とか少しずつ復興の道筋が見えてきたように思えます。
しかし、実は、大きな問題が放置されたままとなっています。
人間は、肉体と魂で構成されています。
このシンプルな事実は、科学技術万能の時代において忘れ去られていますが、
たいていの人は、死後、自分の葬式を魂となって眺めることになるので、
そういう事実(人間は肉体と魂で構成されていたこと)を自覚できます。
しかしながら、大災害という不慮の死では、
自分が死んだことすら、わからずに地上を彷徨う形となってしまいます。
これは、人間として、あまりにも気の毒な形態と言えるでしょう。
昔だったら、「空海」のような高僧が、
鎮魂の祈りによって、多くの魂を救うことができたかもしれません。
あまりも多数の死者の魂を救うには、大きなエネルギーが必要です。
それでも、普通の僧侶が被災地を歩くことで、いくらかの慰めとなるでしょう。
そういうわけで、被災地で早くから活動すべきは、自衛隊と僧侶です。
もちろん、生きて残った人たちが力強く復興に努力する姿を見せれば、
地上を彷徨う魂たちにとっても、救いと慰めとなるでしょう。
五月の風 2011 3 12
日本の四季は、限りなく美しい。
その美しさを作るために、
日本の四季は厳しくもある。
日本は、決して温暖な国ではない。
限りなく寒い日もあれば、限りなく暑い日もある。
それでも、心地よく過ごせる時期がある。
誰もが「五月がいつまでも続いてほしい」と思う。
この度の巨大地震で犠牲になった人たちは、
決して寒くもなく、決して暑くもない日々を得たに違いない。
「永遠の五月」が続く世界に行った。
あなたがたは、五月の風となって、
生きて残った日本人に、試練を心地よいものに変えてほしい。